研究課題/領域番号 |
19360036
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
西川 淳 国立天文台, 光赤外研究部, 助教 (70280568)
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研究分担者 |
黒川 隆志 東京農工大学, 大学院・共生科学技術本部, 教授 (40302913)
武田 光夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (00114926)
田村 元秀 国立天文台, 光赤外研究部, 准教授 (00260018)
村上 尚史 国立天文台, 光赤外研究部, 研究員 (80450188)
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キーワード | 応用光学・量子光工学 / 惑星探査 / 干渉計測 / 補償光学 / 波面誤差 / ナル干渉計 / コロナグラフ / 波面補償 |
研究概要 |
TPF(太陽系外の地球型惑星の直接検出)ミッションでは、10桁のダイナミックレンジを得るために、中心星を減光するコロナグラフ手法と、散乱光(スペックル)ノイズを減らすλ/10000rms精度の波面補正法が必要である。独自の超高精度波面補正法(UNI-PAC法)とコロナグラフの組合せでそれを実現し、日本の技術のTPFへの搭載を目指す。UNI-PAC法は、非対称ナル干渉(UNI)における中心星光の不完全な消去に伴う波面誤差の拡大効果のため、続けて配置する位相振幅補正(PAC)用の補償光学がλ/1000精度でも、初期波面換算ではλ/10000に相当する波面補正を可能とする、コロナグラフ業界で画期的な発明である。 UNI部の実験では、波面誤差の拡大現象が観測され、誤差拡大率の2つのビームの振幅差に対する依存性もほぼ理論どおりの値が確認された。PAC部の補償光学はλ/60程度まで波面補償が進んだ。コロナグラフは、3D Sagnac法(立体的な光路を用いたサニャック干渉計)について単体試験の結果、焦点における回折像はほぼ消えてスペックルが残り、像中心付近で4E-5、5λ/Dの位置で1E-6程度まで下がった。これは、λ/100rms程度の波面精度で期待されるレベルである。また、2波長のレーザー(633nmと532nm)による実験を行い、両波長においてほぼ同じ消光比を得、20%に近い比帯域でアクロマティック性を証明した。 UNI-PAC+コロナグラフ全体を通した測定は初期段階で、ナル干渉とコロナグラフの相乗効果で消光が行われ、PACの効果が像面に現れることまで確認された。 新しいコロナグラフとして、8分割位相マスク法および、2段の3D-Sagnac法が、大きさのある恒星に対して、4分割マスクや3D-Sagnac法より高い消光比を得られる可能性を見出している。
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