研究課題
TPF(太陽系外の地球型惑星の直接検出)ミッションでは、10桁のダイナミックレンジを得るために、中心星を減光するコロナグラフ手法と、散乱光(スペックル)ノイズを減らすλ/10000rms精度の波面補正法が必要である。独自の超高精度波面補正法(UNI-PAC法)とコロナグラフの組合せでそれを実現し、日本の技術のTPFへの搭載を目指す。UNI-PAC法は、非対称ナル干渉(UNI)における中心星光の不完全な消去に伴う波面誤差の拡大効果のため、続けて配置する位相振幅補正(PAC)用の補償光学がλ/1000精度でも、初期波面換算ではλ/10000に相当する波面補正を可能とする、コロナグラフ業界で画期的な発明である。UNI-PAC法は実験的にも、ほぼ理論どおりの振る舞いが実証された。まず、UNI部では、中心星の消去率に応じた波面誤差の拡大現象が観測され、次のPAC部において波面誤差の再補正に成功した。これらの過程における電場の複素振幅は理論どおりの推移を示している。λ/150レベルの光学系で到達できた実効的な波面精度は、波面誤差拡大率の約6倍分良いλ/600レベルである。3D Sagnac法(立体的な光路を用いたサニャック干渉計)コロナグラフを後段に置いて、UNI-PAC+コロナグラフ全体を通した観測も行った。焦点面のスペックルノイズは、理論より少ないがPACによる減少が観測され、ほぼUNI-PAC法の有効性が実証された。新しいコロナグラフである、8分割位相マスク法では、消光比の光の入射角に対する4次特性が実証され、大きさのある恒星で4分割マスク法より高い消光比が得られる可能性が証明された。また、フォトニッククリスタルデバイスを用いた偏光干渉法によってアクロマティック性も実証された。
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