研究課題/領域番号 |
19360046
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
田邊 裕治 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60143020)
|
研究分担者 |
坂本 信 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80215657)
小林 公一 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70296317)
大森 豪 新潟大学, 超域研究機構, 教授 (70283009)
|
キーワード | 機械材料・材料力学 / 生体力学 / MRI / 脛骨大腿関節 / 膝蓋大腿関節 / 運動解析 / 接触面積 / 接触領域 |
研究概要 |
本年度はin vivoでの膝関節における接触面積と接触領域の分布を明らかにすることを目的として、MRIによる測定法について実験的に検討した。 先ず、MRIを用いた関節の接触領域の測定について検討した。MR画像の信号強度のプロファイルによる接触の判定方法を提案し、MR画像から接触面積を求め、感圧紙(PSF)による接触面積と比較し、MRIによる測定方法の妥当性と精度について検討を行った。その結果、信号強度比を0.9とすることで、PSFの接触面積の結果と±7%の範囲で一致し、PSFと同等の精度で接触領域の評価ができることがわかった。 次に、MRIを用いた脛骨大腿関節の運動解析と接触状態の解析を行った。上記の接触判定法を用いて、生体の脛骨大腿関節を対象に荷重を作用させ、膝関節の屈曲に伴う関節軟骨の接触面積と接触領域の分布の変化を検討し、以下の結果を得た。 1)内側の接触面積は、常に外側より大きい。 2)膝屈曲に伴い接触面積は減少した。 3)接触領域の図心は、屈曲角度の増加に伴って後方および外側へ移動し、荷重下では、その移動量は減少した。 4)膝屈曲に伴う接触領域の移動は、外側より内側が大きかった。 続いて、MRIを用いた膝蓋大腿関節の運動解析と接触状態の解析を行った。生体の膝蓋大腿関節を対象に荷重を作用させ、膝関節の屈曲に伴う関節軟骨の接触面積と接触領域の分布の変化を検討し、以下の結果を得た。 1)膝屈曲角度が0°から90°と増加するに従い、膝蓋骨関節面の接触領域分布は、遠位側から近位側へ移行する傾向が見られた。 2)男性の膝蓋大腿関節接触面積の平均値は女性に比べて、いずれの屈曲角度においても大きく、屈曲角度の上昇に従い男女ともに接触面積は増加する傾向がある。 3)接触面積を膝蓋骨関節表面積で除した値で正規化すると、いずれの屈曲角度においても接触面積には有意な性差は認められなくなる。
|