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2009 年度 実績報告書

フェムト秒パルス光超音波共鳴法によるナノ薄膜の弾性定数の精密測定

研究課題

研究課題/領域番号 19360051
研究機関大阪大学

研究代表者

平尾 雅彦  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (80112027)

研究分担者 荻 博次  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (90252626)
中村 暢伴  大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (50452404)
キーワード薄膜 / 弾性定数 / フェムト秒レーザー / フォノン共鳴 / 貴金属 / 低温計測
研究概要

膜厚がナノメートルオーダーのナノ薄膜の弾性定数は,弾性波フィルタやMEMS・NEMSデバイスの設計において重要な設計パラメータであり,正確な計測法の確立が望まれている.我々はピコ秒レーザー超音波法を用いて,薄膜内に超高周波の超音波を発生させ,これまで困難とされてきた10nm程度の膜厚の薄膜の弾性定数を計測する手法を開発した.
平成21年度においては, おもにPtやPbなどの貴金属薄膜の低温における弾性定数計測のためのシステムを構築した.試料をクライオスタットヘッドに設置し,ヘッドそのものを光学系に取り入れ,ガラス窓を介してレーザー光を試料に照射するシステムである.まずは半導体温度検出素子によりどの程度温度低下が可能かを調べたところ,レーザー照射を継続的に行った場合においても約8Kまで温度を低下させることができた.そこで,室温~8Kにおける広範囲の温度域において,ピコ秒レーザー超音波計測を行う計測法を確立した.PtとPdに対して弾性定数を低温域で計測したところ,バルクとは異なる傾向を示した.両者ともバルクにおいて報告されている弾性定数の変化率が室温に比べて極低温では僅かに1-2%程度であるにもかかわらず,薄膜の場合は,5%以上の変化率を示した.これは新しい理論モデルの構築の必要性を強く示唆する結果を得た.原因の一つは,原子間ポテンシャルの非線形性にある.つまり,極低温においては貴金属薄膜は基板との線膨脹係数の差異により面外方向に大きく縮んでおり,原子間距離が低下している状態となる.原子間ポテンシャルは原子間距離が縮まる場合に大きくエネルギが増加するため,見かけの弾性定数も増加する.これにより,薄膜の場合は極低温において弾性定数が大きく増加する可能性がある.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 第一原理計算によるナノ結晶ダイヤモンドの非sp3結合領域の構築とその弾性特性に及ぼす影響の解析2009

    • 著者名/発表者名
      谷垣健一, 多根井寛志, 草部浩一, 荻博次, 中村暢伴, 平尾雅彦
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集 A編 75-758

      ページ: 1424-1429

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 薄膜弾性定数の測定2009

    • 著者名/発表者名
      平尾雅彦, 荻博次
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集 A編 75-752

      ページ: 397-403

    • 査読あり
  • [学会発表] ピコ秒レーザー超音波法によるSiウェハー中のナノ欠陥評価2009

    • 著者名/発表者名
      谷垣健一, 荻博次, 平尾雅彦, 松川和人
    • 学会等名
      2009年日本機械学会年次大会
    • 発表場所
      岩手大学(盛岡)
    • 年月日
      2009-09-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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