研究概要 |
昨年度には, まずは本研究のコア技術として, 薄片化から完全表面創成までOne-stop加工できる加工機械の開発を行なった. 本年度には,工具の開発およびプロセスの開発に重点をおいて研究を進めた. 得られた結果を下記のように要約する. ・高能率・低ダメージ薄片加工用のダイヤモンド砥石およびストレスリリーフ用のCMG砥石を開発し, それらのハイブリッド化を図った. 砥石の交換なしにダイヤモンド/CMG間の切り替えだけで, 薄片化から表面仕上げまでの加工を一貫して行なうことのできるOne-stop加工を実現した。 ・前年度に行った砥粒軌跡密度の理論計算に基づき, ワーク/工作機械の弾性変形を考慮したインフィード研削モデルを構築し, 砥粒軌跡密不均一性補償する最適チルト角を見出した. ・加工変質層や加工温度に対する加工条件の影響を実験的に調べ, 薄片化適したプロセス範囲を明らかにした. さらに, CMG砥石組成, 解砕・混合条件について砥石メーカー, エンドユーザーとともに精査して, 加工能率がより高いCMG砥石の開発も継続して行っている. ・フィールドテストでは, 8インチ(直径200mm)の単結晶Siウエハを15, 20, 30, 40, 50,60, 100μmまで薄片化を成功している. 次年度には, 加工した単結晶Siウエハ物性, 幾何形状, 機械特性の評価技術の確立を目指す.
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