研究概要 |
前年度には8インチのSiウエハを厚さ15μm~60μm薄片化に成功した.本年度には,CMGの加工メカニズムの解明および加工した単結晶Siウエハ物性,幾何形状の評価に重点をおき研究を進めた得られた研究結果を次のように要約する. ●砥粒の運動軌跡および加工系ののループ剛性の影響を解析可能な3Dモデルを構築し,高精度形状創成の最適アライメントおよび加工条件を導き出した.GBIR<0.5μmの形状精度が得られた. ●脱金属コンタミネーションの観点からCMG砥石の組成を再度最適化した. ●MDの手法を駆使して,加工条件下でのSi結晶構造の変化を可視化した.同時に実際に加工したSiウエハの断面を観察・解析し,加工中におけるSi単結晶の転位,アモルファス化,再結晶の熱・力学条件を解明した. ●化学的作用については,CMG加工で形成された切りくずを解析し,その組成から,CMG加工中におけるセリア砥粒とSiの固相反応がCe^<4+>からCe^<3+>への還元反応であることを解明した. ●上記のメカニズムを応用して,Si単結晶のほかに,ガラス・エタロンの素材である石英ガラスに対しても加工実験が成功した. ●レーザ干渉原理に基づきSi内部の通過光路によりウエハの厚さを高精度で算出できるOn-machine計測システムを開発した.1つのプローブでウエハの平坦度および厚さの機上計測が可能であることが特長である.
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