研究課題/領域番号 |
19360059
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
国枝 正典 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (90178012)
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研究分担者 |
夏 恒 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (40345335)
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キーワード | 微細放電加工 / 静電誘導給電 / 容量結合 / 放電エネルギー / 放電回路 / RC放電回路 / 浮遊容量 / 非接触給電 |
研究概要 |
微細放電加工の放電エネルギーを微小化するため、パルス電圧を加工間隙に容量結合する方式の新しいパルス放電電源を開発した。配線の線間容量などの浮遊容量の影響を受けないため、従来のRC放電回路に比べて微小な放電痕を得ることができる。そこで、この新しい放電回路の等価回路について、回路動作の解析を行い、給電容量、加工間隙容量に充電される電荷や、絶縁破壊時の電流、電圧の変化について解析結果と実験結果とを比較し、放電回路の過渡現象を理解した。特に、得られる放電電流波形の解析を行い、より小さい放電エネルギーを得るための回路定数について検討を行った。その結果、容量結合部のキャパシタンスを小さくすることが有効であることが分かった。また、極間電圧の測定のためにオシロスコープを接続することによって、電圧プローブに寄生する容量成分が放電エネルギーに及ぼす影響を調べた。さらに、本放電回路の実用化のために、平均極間電圧をモニターして工具電極の送りをサーボ制御する回路を作成し、加工を自動化した。また、高速回転する工具電極に非接触で給電を行うために、工具電極軸と同心上にパイプ状の給電電極を配置し、その間のギャップを利用して容量結合した。それによって、パイプの長さとギャップ長を変化させることによって給電容量を変え、放電エネルギーを調整できることを示した。以上の基礎研究の成果を基にして、放電痕の直径をサブミクロンのオーダまで小さくすることができた。また、実際に微細軸を加工した結果、従来のRC放電回路では不可能であった1.3ミクロンの直径の微細軸の加工に成功した。
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