研究概要 |
21年度までの成果に基づき、確立した諸手法および試作した「次世代知能型精密診断装置システム」 (以下、プロトタイプとよぶ)を現場へ実用化できるように検証・修正・改善を行った。すなわち、プロトタイプに組込まれている状態判定・精密診断アルゴリズムに対して、複数企業現場の実機ベース(発電機、モータ、攪拌機、ポンプ、コンプレッサ、タービン類など)にて回転機械の状態管理と診断へ試運用し、診断ロジックや計測結果の正確さを含めた新しいプロトタイプの現場有効性と適用性を検証した。精密診断・判定方法の問題点を把握・分析し、効果的な改良・改善を行った。実験室実機と現場実機テストを通じて、プロトタイプの精度と信頼性を評価し、長時間、複雑な環境の下でその弱点を洗い出し、将来の実用化を図った。なお、検証のために実験室実機(回転機械シミュレータ)を改めて整備し、静・動負荷がかけられるようにしたことにより現場実機に近い検証もできるようになった。 さらに,回転機械設備のための「次世代知能型精密診断装置システム」の構築法を最終的に総括すると共に、本研究の成果を他種類の設備(静止設備や運輸設備など)へ拡張応用できる理論・学術体系についても検討した。また、学会や研究会で本研究の成果を社会・国民に発信し、国際学術会議(23rd International Congress on Condition Monitoring and Diagnostic Engineering Management,Nara Japan,COMADEM2010)組織・実行委員会委員として開催に関する事業に参加すると共に、本研究の一部成果としてCOMADEM2010で7編の論文を発表した。
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