研究概要 |
これまでの研究実績(衝撃波DDS用カプセル生成およびカプセル内の封入技術確立と曲率弾性壁近傍での気泡変形挙動現象の基礎的研究)を生かして、衝撃波管または超音波素子で発生させた平面衝撃波を水中内の静止・移動しているナノドラッグ・マイクロカプセルに作用させ、その変形挙動ならびに破壊挙動の観察を目的として本年度の以下の研究を遂行した。 (1)衝撃波のマイクロ構造とナノドラッグカプセル生成のための基礎的検討 光ファイバーを介してパルスレーザによって衝撃波を発生させ、ナノドラッグ・マイクロカプセルに作用させる実験(観測)装置および対象となるマイクロカプセルの生成を行った。その結果、以下の結果が得られた。 (a)観測系のためのファイバーカップリングおよび観測のタイミングをとるためのダブルパルスレーザを用いて、モデル体としての微小球の高速挙動の観察を試みたが、マイクロ衝撃波の観測には現在のところ至っていない。原因としては、カップリング部でのエネルギー損失および観測時のダブルパルスレーザの光量不足があげられる。次年度以降は、本ポイントをもとに観測系の改良を行う予定である。 (b)観測対象となるドラッグカプセルとして、本年度は一般的なバブルリポソームカプセルを製作し、粒径としては数百ナノの直径をもつ気泡入りカプセルを作ることができた.これは,EPR效果を利用した一般的な癌治療に使用できるカプセルと同程度の大きさであり,試作に当たり現実的な大きさである.
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