研究分担者 |
大川 晋平 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (20432049)
白川 英樹 電気通信大学, 電気通信学部, 准教授 (40241070)
星 詳子 (財)東京都医学研究機構, 精神医学総合研究所, 副参事研究員 (50332383)
谷川 ゆかり (独)産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究員 (20344202)
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研究概要 |
蛍光・生物発光トモグラフィは蛍光・発光標識した薬剤を小動物に導入し,その体内分布を断層像として無侵襲に調べるものであり,薬剤等の機能,代謝などを定量的にイメージングできる.ヒトを対象とする臨床試験の前段階として行われる小動物試験において,必要とされる小動物の数や期間,労力を削減し,高効率化できる手段として期待されている.平成20年度は研究実施計画通り,以下の3項目について研究を行った. (1) 蛍光トモグラフィアルゴリズムの高度化 これまでに構築した蛍光トモグラフィ画像を再構成するアルゴリズムは2次元の画像を再構成するものであった.平成20年度はこのアルゴリズムを,3次元で蛍光物質濃度と蛍光寿命を画像化するための修正,拡張を行った.また,ファントム実験の条件を組み込むようにプログラムを改良した. (2) 生体模擬試料を用いたアルゴリズムの検証実験 ポリアセタール樹脂と脂肪乳剤を用いた円柱状の生体模擬試料を作成して実験を行い,ピコ秒時間分解計測データから脂肪乳剤中に混入した蛍光物質(インドシアニングリーン)の濃度をトモグラフィ画像として再構成し,アルゴリズムを検証した.また,実験に用いた蛍光物質を純水,脂肪乳剤,またはラテックス微粒子浮遊液に混入させたときの蛍光・吸収スペクトルおよび蛍光寿命を測定した. (3) 小動物を用いた実験による蛍光トモグラフィ画像の取得 次年度に行う小動物を用いた実験では,マウスを用いることとし,マウスを実験中に保持する用具の設計を行った.また,励起光照射や蛍光測定に用いられる光ファイバーホルダーなどを取り付けるための部品の設計,蛍光測定において励起光の影響を除去する光学フィルタの最適化と取り付け法の設計などを行った.さらに,実際に生体模擬試料を用いた計測を行い,小動物を用いた測定に向けて準備を整えた.
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