研究概要 |
初年度は,機械的分散機構の解明の準備毅階として,濃度場の計測法および速度、濃度相関の画像処理法の確立を目指し,研究を行った。 安価で信頼しうる温度分布および濃度分布のフィールド計測システムの確立が要望されている状況を踏まえ,まず,フォトクロミック染料を用いた流れの非侵襲的可視化法を検討してみた。可視化した画像を基にLambert-Beerの吸光則を用いることで濃度分布の計測に成功した。確立した可視化および濃度計測システムを用いて,線熱源からの自然対流および線物質源からの強制対流物質伝達の計測を行い,理論との比較検討を行っている。さらに,本研究のテーマの一つである多孔質体内流における機械的分散効果に注目し,物質移動実験を行っている。 本年度の検討を通して,フォトクロミック染料は濃度揚の非侵襲的計測において極めて有効である;線物質源からの強制対流物質伝達において計測された濃度分布は厳密解と良好な一致を示す;Lambert-Beerの吸光則に基づく濃度の定量化は低速流に対して極めて有効である;トレーサー応答法は平均流速および見かけの拡散率を計測するのに有効である;などが明らかとなった。
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