研究概要 |
本研究では,レーザ測定技術と数値解析法を駆使し,申請者が発案したノンエレメント混合・反応器を題材に非定常三次元カオス混合過程の基本的特性を詳細を解明し,カオス混合の評価法を提案することを目的とする. 実験には,内径10mmの主流管と内径3mmの支流管から流路を製作し,用いた.流体としては,層流状態を維持するために粘性が高く,可視化実験が可能な透明な液体としてグリセリンを用いた.主流は定常に流され,支流は周期的に流される.主流流量,支流流量,支流の周期などの実験条件は,予備実験により決定した.流れ場の時間変化を可視化するためにレーザ誘起蛍光法を用いるが,本年度は,ダイオードレーザ,ビデオカメラ,レンズ系,ならびにそれらを主流にそって移動させ,測定位置を設定することのできるリニアレールからなる可視化装置を構築した.実験では支流は3本までの場合を行い,画像より主流と支流の界面の長さを測定した.その結果,支流が増えるほど,界面の長さの増加率が増すことがわかった. 数値計算に関しては,基本的な数値計算プログラムを構築した.構築したプログラムの健全を確認するために,比較検討が可能なKenicsタイプのスタティックミキサーについて計算を行った.従来の結果を比較検討したところ,よい一致を示し,本プログラムの健全性が確認された.異なった物性値を有する液体の混合についても計算を行った結果,妥当な結果を得ることができた. 次年度以降,本年度に確立された実験,数値計算手法を用いることにより,より詳細に現象解析を行うことができる.
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