研究概要 |
離散気泡モデルの高精度化に不可欠となる基本流動特性取得のための実験装置については,ほぼ計画通り完成した.この装置を用いて定電流法によるスラグ伝播特性,高速度ビデオによるスラグ挙動観察が予定通り実施できており,この結果に対して現在評価検討中である.特に,スラグ伝播特性に関しては,H19年度は、測定プローブそのものの特性特定のために測定点を当初予定数よりも少なくして評価してきたが,これらの結果を元に指針がほぼ確立できた.H20年度は,この検討結果を元に装置をチュ-ニングすることで,当初計画のスラグ周りの特性把握がほぼ予定通り取得可能であると考えている.また,当初H20年に予定していた離散気泡モデルの高度化に関する内容を一部前倒しでH19年度に実施しており、エネルギー方程式め組み込みが既に完了し,沸騰系へと適用範囲を拡張することに成功した.このモデルを用い,飽和水が流入した場合の流動様式遷移の再現,流動変動下で逆流が発生する条件での管壁の時間変動,周期的ドライアウトをOne-way coupling法を用いて再現することに成功し,一部内容については既に学会発表を行った.また,水平管への拡張についても,水平流における気液相対速度,圧力損失を組み込み,マイクロチャンネルのような細管での流動様式が再現できるモデルの構築に成功した.
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