研究概要 |
(1)水平全方位シートサスペンション装置の制御系の改良を行った.ベースに取り付けたアクチュエータによって正の剛性を持つ支持機構,中間質量に取り付けたアクチュエータによって負の剛性を持つ支持機構を実現した.試作した装置では,水平方向の2自由度の並進運動に加えて,ヨーイングも制御する必要があるので,モード制御(集中制御)を行った.負の剛性を実現する制御系を設計する際に指定する閉ループ系の極や正の剛性の大きさなどのパラメータをいろいろと変化させながら,地動外乱に対する防振特性,セルフポジショニング機能などを評価した. (2)変位相殺制御の有効性について検証した.中間質量に取り付けたアクチュエータに変位相殺制御を適用することによってセルフポジショニング機能を実現し,(1)で実現した制御系との性能の比較を行った. (3)加速度フィードバックによる制振性能の改善を行った.建設機械では,乗用車などと比較してより激しい加振に対する制振性能も求められるので,シートに加速度センサを取り付けて,その信号に基づいたフィードバック制御も併用して,中周波数域での制振性能をより向上させことを試みた. (4)空気圧アクチュエータを利用したプロトモデルの設計・製作を行った.人を搭載する実大モデルを実現しようとすると,これまでに使用していたリニアモータでは発生力が不足するので,アクチュエータとして空気圧アクチュエータを用いて負の剛性を持つ支持機構を実現する装置の設計・製作を行った.実用性を考慮して,正の剛性を持つ支持機構は,機械式ばね,磁気ばねや粘性ダンパなどパッシブな要素で構成した.
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