研究課題
昨年は開発中のコロイダルダンパの実用化のために、自動車の一輪をモデル化したサスペンションシステムの実験を行い、問題点の洗い出しを行い、実験装置の改良設計を行い、ダンパの改善設計を行っている。また、コロイダルダンパの数学モデル式の作成を行ったが、系が履歴特性を持ち且つ履歴の中心点が変わる非線形であるため、今年度も精度の良いモデル式は作ることができなかった。自動車が正面衝突した時の衝撃を緩和するためのダンパ用として、コロイダルダンパの応用を考えた。すなわち自動車が40km/hで衝突した時を想定し、その時の緩和効果を新しく設計したダンパを用いて行った。その結果、基本的なデータは取れ、それについては発表を予定しているが、次のステップとして静的実験や繰り返し振動実験では現れなかった新しい現象が現れた。従ってその現象の解析のための実験及び対策を行う必要がでてきた。分子動力学を用いた細孔内の表面張力計算シミュレーションでは、分子の集合体によりシリカゲルで細穴を作り、その中へ水クラスタを入れるシミュレーションで、本年度は圧力と温度の関係をうまく表現する技術を確立し、さらに疎水性コーティング、親水性コーティングの違いを表わすシミュレーション技術を確立し、コロイダルダンパの開発に役立つシミュレーション技術に向けて進めることができた。計算時間を短縮できるユニファイドモレキュラー手法を提案し、発表を予定しているが今後この手法の実用性の証明を幅広く行っていく必要がある。
すべて 2008
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Journal of System Design and Dynamic Vol. 2, No. 5
ページ: 1160-1169