研究概要 |
平成20年度は,前年度までに開発した要素技術を組み合わせ,壁面歩行ロボット,水面移動ロボットの製作を行った.壁面歩行ロボットについては,MEMS技術を利用して,シリコーンゴムの一種であるPDMSとガラスの2種類の付着パッドを製作し,付着性能を評価した.その結果,PDMSパッドは壁面に平行な摩擦力が大きく,ガラスパッドは,表面に液体を供給することにより壁面に垂直な付着力が大きくなることが示された.そこで,2種類の付着パッドを利用し,それぞれの特性を生かした壁面歩行ロボットを設計,製作した.6本の脚の先端にPDMSパッドを取り付け、腹部にガラスパッドを配置し,それぞれ平行,垂直方向の荷重を支持するようにした.また歩行機構として「交互三脚歩行」が可能な機構を設計した.製作したロボットを用いて,垂直な壁面と天井面の歩行に成功した. 水面移動ロボットについては,表面張力による水面移動と,交互三脚歩行による陸上歩行が可能なロボットを開発した.脚にはPTFEの微粒子を含む撥水剤を塗布し,ロボットを水面で支持できるように支持脚の長さと構造を設計した,アクチュエータには形状記憶合金を用い,各脚が楕円軌道を描くように制御した.可動部はトーションバーによるジンバル機構を採用し,MEMS技術を利用して真鍮の薄板にロボット本体の形状を加工し折り曲げることにより,3次元機構の一体成形を行った.製作したロボットの動作実験を行い,水面移動と陸上歩行に成功した.
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