研究課題
「新エネルギー源の活用」と「電気エネルギー利用の効率化」により、総合的なエネルギー利用効率の大幅な改善が求められている。その主要技術となるインバータ技術は、小形化、高効率化、低価格化のための飛躍的な発展が求められている。本研究では、従来の立方体装置構造の発想を転換して、薄平面形状の高集積化構造をもつ高電力密度インバータの設計技術で上記の目標達成を目指す。その実現には、電気的性能はもとより、薄型化に対応する各部損失の厳密な計算設計技術、放熱・熱設計技術、電磁ノイズ抑制技術などの課題を解決する必要がある。本年度は、昨年度の実績を踏まえて各要素技術の研究に加え、薄平面形状インバータの具体的設計技術の研究を行い、以下の成果を得た。(1)PWMインバータのACフィルタインダクタ損失と制御・変調方法、負荷種類との関係の定量的分析を行った。フィルタインダクタ損失が最小となる変調度が存在し、インダクタ損失の負荷電流依存性が比較的低い、などが明らかとなった。(2)珪素鋼板のうず電流損失とヒステリシス損失の分離計測を行った。スタインメッツ式に対して、ヒステリシス損失は合致し、うず電流損失は合致しないことが明らかとなった。(3)高電力密度化の実装で深刻化するノイズ障害メカニズムの分析を行った。新たに定義した「内部ノイズ電流」は、メカニズム分析に有用であることを示した。(4)薄平面形状の単相インバータの試作・試験を行った。(5)2年間の研究成果の取り纏めと課題の整理を行った。
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Journal of Power Electronics vol. 9, 2
ページ: 259-266
IEEE Trans. on Power Electronics (掲載決定)