研究課題/領域番号 |
19360133
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
渡辺 恒夫 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70110947)
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研究分担者 |
浜田 典昭 東京理科大学, 理工学部, 教授 (00126145)
飯田 努 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (20297625)
西尾 圭史 東京理科大学, 基礎工学部, 准教授 (90307710)
常盤 和靖 東京理科大学, 基礎工学部, 講師 (60307709)
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キーワード | 熱電変換 / 金属酸化物 / 環境低負荷発電 / クエン酸錯体 / 放電プラズマ焼結 / チタン酸ストロンチウ / イットリウム添加 |
研究概要 |
本研究は、非熱平衡プロセスであるケミカルプロセス及び放電プラズマ焼結法により環境低負荷熱電変換セラミックス材料の低温合成と理論計算による不純物添加による特性向上、さらにその計算から求めた高性能材料の作製を実現し、「次世代型熱電変換システム用金属酸化物材料の創成とモジュール開発」を行うものであり、以下に研究の対象を示す。 (1)n形半導体金属酸化物の合成および物性の評価 (2)p形半導体金属酸化物の合成及び物性評価 (3)n形およびp形金属酸化物による廃熱発電素子の開発 (4)層状金属酸化物系セラミックスの合成プロセスの構築及び熱電性能評価 当該年度は(1)、(2)、(4)について基礎的な知見を得ることを主に行った。 その結果,以下に示す知見が得られた。 1.クエン酸重合法を用いることでn形半導体であるYドープSrTiO_3の合成に成功した。無次元性能指数ZTはx=0.06が最大で、673KでZT=0.13であった。第一バンド原理による計算ではYのドープ量が4mol%に特異点を持つことが明らかとなり、今後、実際の試料での確認を行う。また、熱電性能評価として実起電力の測定を行い、電力供給の可能性の検討を行う予定であるが、現段階ではオーミック接触電極選択と電極と試料の一体成形技術の開発が困難となっている。 2.クエン酸重合法を用いることでSr_<n+1>Ti_nO_<3n+1>(n=1,2)の低温合成に成功し、またn形半導体であるYドープSr_2TiO_7の合成に成功した。層状化合物を得ることに成功したことから熱電材料としての特性評価を行い、高い性能が期待できる。 3.クエン酸重合法を用いることでp形半導体であるYCuO_2、の低温合成に成功した。SrRuO_3は有る程度合成に成功しているが、現段階では単相化に至っていない。 これら知見は,上記素材の実用化へ向けた取り組みにおいて重要な位置づけとなると見込まれる。
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