1.NiFe系微小プレーナ型2重強磁性トンネル接合の作製・評価 電流電圧特性測定のための電極パッドに囲まれた領域にパターニング加工したNiFe薄膜を形成し、原子間力顕微鏡(AFM)を用いた局所酸化加工により、微小トンネル接合を作製することに成功した。 2.フォトリソグラフィとAFMナノリソグラフィの併用によるNiFe細線の狭窄化 フォトリソグラフィによりパターニングしたNiFe薄膜を基盤としたNiFe/NiFeO系微小プレーナ型2重強磁性トンネル接合を作製し、さらにAFMを用いたレジストスクラッチ・リソグラフィを施し、100nm~200nm幅のNiFe細線狭窄化構造を作製した。 AFMを用いてNiFe薄膜上に塗布したフォトレジストをスクラッチして、その後、ドライエッチングする微細加工方法に加え、NiFe薄膜を直接スクラッチして狭窄化する微細加工方法に関しても加工技術を確立した。両方法ともに探針圧や探針走査速度等の加工パラメータを最適化できた。これらの併用によりナノ構造デバイスの作製が可能であることを示した。 3.プレーナ型強磁性トンネル接合及び狭窄化構造の磁気抵抗効果の測定 2.で作製した狭窄化した磁性ナノ構造の電気的特性、及び磁気抵抗効果特性を評価した。測定には極低温プローバを使用して17Kから室温までの測定を行ったところ、狭窄部分の磁壁の閉じ込め効果に起因した磁化反転過程での顕著な変化が観測できた。
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