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2007 年度 実績報告書

垂直磁化膜を用いたスピン注入磁気メモリの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19360143
研究機関名古屋大学

研究代表者

綱島 滋  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80023323)

研究分担者 岩田 聡  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60151742)
加藤 剛志  名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (50303665)
キーワードメモリ / 熱磁気記録 / アモルファス合金 / スピン注入 / ジュール熱 / 臨界電流密度
研究概要

熱アシスト型MRAMの原理実験として微細加工を施したTbFe膜に磁界中でパルス電流を印加し,ジュール熱による熱磁気書き込みを検討している。TbFeパターン膜はリソグラフィーと電子サイクロトロン(ECR)プラズマによるArイオンエッチングにより作製した。加工形状は電流が集中するような狭さく構造とした。微細加工を施した素子に対して,外部磁界中でパルス電流を印加し、磁気力顕微鏡によって書き込み後の素子の磁区形状を観察した。外部磁場中で素子に流す電流がある閾値を超えると狭さく部の磁化のみが反転することを確認し,ジュール熱による熱磁気書き込みが可能であることを確認した。
熱磁気書き込みの閾値電流(電力、エネルギー)の素子サイズ依存性とパルス幅依存性を理解するためにTbFeパターンの熱解析を行っている。実験を再現するために,多層構造の3次元熱伝導方程式を,交互方向陰解法によりシミュレーション解析している。検討された範囲の電流パルス幅(0.01 nsから1 μsまで)では,断熱過程と熱拡散過程の二つの領域が存在することがわかった。また,シミュレーションで得られた電力(エネルギー)密度のパルス幅依存性と素子サイズ依存性を実験と比較し、実験結果をよく再現でしていることがわかった。TbFe記録層を使用したTMR素子の面積抵抗(RA)を100Ωμm^2と仮定すると、2mW/μm^2の電力密度を得るためには、電流密度がおよそ4.5x10^5 A/cm^2になる。この値は,ある程度の熱安定性を有したスピン注入磁化反転方式のMTJにおける反転電流密度閾値より小さな値であり、熱アシストMRAMの優位性を示す結果が得られている。垂直磁化膜にスピン注入するための素子は,現在作製中であり,TbFeを用いた巨大磁気抵抗効果型の素子で0.2%程度の磁気抵抗変化を得ている。この値はCoFe系素子と同程度であり,TbFeにおいても十分高いスピン偏極率が得られていることを示唆する結果を得ている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Dynamic Heating in Micron-and Submicron-Patterned TbFe Films2008

    • 著者名/発表者名
      L. You, T. Kato, S. Tsunashima, S. Iwata
    • 雑誌名

      Jpn. J. Appl. Phys. 47

      ページ: 146-149

    • 査読あり
  • [学会発表] Thermomagnetic writing on deep submicron patterned TbFe films by nanosecond current pulse2007

    • 著者名/発表者名
      L. You, T. Kato, S. Tsunashima, and S. Iwata
    • 学会等名
      52nd Magnetism and Magnetic Materials Conference
    • 発表場所
      Tampa, USA
    • 年月日
      2007-11-05
  • [学会発表] Magnetization Dynamics in GdFeCo Films Measured Using a Ultra Short Pulse Fiber Laser2007

    • 著者名/発表者名
      K. Nakazawa, T. Kato, N. Nishizawa, S. Tsunashima, and S. Iwata
    • 学会等名
      MORIS 2007 Workshop on Thermal and Optical Magnetic Materials and Devices
    • 発表場所
      Pittsburgh, USA
    • 年月日
      2007-09-27
  • [学会発表] 超短パルスファイバーレーザーによるGdFeCo薄膜の磁化ダイナミクス計測2007

    • 著者名/発表者名
      中澤健, 加藤剛志, 西澤典彦, 綱島滋, 岩田聡
    • 学会等名
      第31回日本応用磁気学会学術講演会
    • 発表場所
      学習院大,東京
    • 年月日
      2007-09-11

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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