研究課題
ホーリーファイバは、従来の高非線形ファイバとは大きく異なる誘導ブリルアン散乱利得スペクトルを有しているため、ホーリーファイバの性能指数を評価するには、誘導ブリルアン散乱パワーしきい値を考慮する必要がある。この誘導ブリルアン散乱パワーしきい値を評価するには、ホーリーファイバ中に存在するすべての音響モードを高精度で算出することが求められる。本研究では、まず、ホーリーファイバの光学特性解析のためのベクトル有限要素法を音響モード解析に拡張するための理論を開発した。光学モードの計算には、非物理的なスプリアス解の発生を回避するために、辺要素と節点要素とを混合使用したが、音響モードの計算には節点要素のみを使用するとともに、アダプティブメッシュ自動生成アルゴリズムの開発もあわせて行った。また、ベクトル有限要素法によって算出された光学モードと音響モードとの重なり積分を利用して、ホーリーファイバの誘導ブリルアン散乱利得スペクトルを評価するための理論的検討を行った。このとき、ブリルアン線幅を実験結果と照合しながら決定する方法、任意の屈折率分布ならびに任意の断面構造を有する光ファイバに適用可能な誘導ブリルアン散乱利得スペクトルと誘導ブリルアン散乱パワーしきい値とを関係付ける方法についての検討も行った。さらに、コア径の異なる4種類のホーリーファイバ、具体的には、RB61(OFS)、PC421(Blaze Photonics)、RB65(OFS)、Crystal Fiber(CF)の誘導ブリルアン散乱利得とパワーしきい値のコア径ならびに波長依存性を、理論と実験の両面から調査し、ホーリーファイバの誘導ブリルアン散乱パワーしきい値が、コア径が等しい従来型高非線形ファイバに比べて大きくなること、誘導ブリルアン散乱利得スペクトルに現れる複数のピークと音響モードとの間の関係を明らかにした。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (11件)
Journal of Optical Society of America B 25
ページ: 582-593
IEEE / OSA Journal of Lightwave Technology 26
ページ: 1602-1612
Optics Express 16
ページ: 9459-9467
ページ: 2162-2167
ページ: 14945-14953
ページ: 15603-15616
Optics Letters 33
ページ: 2431-2433