研究概要 |
平成20年度の研究の焦点は,"特徴抽出ユニット"と"判断と動作決定ユニット"についてであった.これらの2つユニットは連想メモリのコアのように汎用的ではなく,実際のアブリケーションに大変依存しており,入力データや出力データのタイプに大きく影響をうける.開発する連想メモリベースのVLSIブレインの性能を評価するために,代表的なアプリケーションとして,(ア)「動画中の動体識別及び追跡システム」と(イ)「手書き文字学習・認識システム」を選択し,詳細に検証した. (ア)の場合,開発した"特徴抽出ユニット"は,動画像の入力信号から,それぞれの動体の中心,ピクセル数,高さ,フレーム間の動きベクトル等を抽出し,連想メモリの入力パターン構築のために利用する."判断と動作決定ユニット"の出力としては動作対象物の表示を入力動画情報に付け加えるようにする.(イ)のために開発した"特徴抽出ユニット"はそれぞれの手書き文字の正規化されたビットマップから連想メモリの入力パターンを構築する.(ア)と(イ)のために開発したアルゴリズムの有効性をシミュレーションで検証,かつVLSIアーキテクチャを作った。その後,VLSIアーキテクチャの一部のためにCMOS回路設計を行った. 本年度の2番目の目標は,プロジェクト初年度に設計されたCMOSテストチップの測定であった.測定により,基本的に正しいテストチップ動作確認が出来た.但し,利用したアナログ回路において,Winnerの参照パターンの大きい距離の場合,信頼的な動作を得られなかった.この問題を解決するために,距離を時間領域にマッピングする新しい連想メモリのVLSIアーキテクチャを開発し,コアユニットの新たなCMOSテストチップの設計を行った.設計したテストチップを平成21年度に測定で検証する予定がある.
|