研究課題
1.レーザ発振に向けた検討BeZnSeTe層をMgSe/BeZnTe超格子クラッド層で挟んだダブルヘテロ(DH)構造を作製し、光励起による発振特性を評価したところ、活性層の組成を変えることで538nm(緑色)から570nm(黄色)のレーザ発振が得られた。しきい値励起光強度は25-43kW/cm^2であり、これよりしきい値キャリア濃度はおよそ1〜3x10^18cm_<-3>と見積もられた。また、発振特性の温度依存性を調べたところ80℃の高温においても安定した発振が得られ、優れた特性が示された。更に、得られたしきい値励起光強度より電流注入型のレーザダイオード(LD)を想定した場合のしきい値電流密度を見積もったところ0.4〜1kA/cm^2となり、充分な性能が得られることが予測された。以上より、BeZnSeTeは緑色LDの活性層材料として優れた特性を有していることが分かった。2。導波路作製技術の検討レーザ導波路の作製技術について検討した。デバイスウェハ上にSiO_2絶縁膜をスパッタ形成し、化学エッチングによるストライプ加工を行った。素子の電圧電流特性を評価したところ加工による劣化は見られず、一連の技術がレーザ素子加工に有効であることが分かった。一方、水酸化ナトリウム水溶液によるエッチング特性を調べた結果、nクラッド層材料(MgZnCdSe)はエッチングされないのに対し、活性層材料(BeZnSeTe)やpクラッド層材料(BeZnTe)が選択的にエッチングされることが分かった。これにより新たな素子加工技術が見出された。3.素子寿命の評価DH試料をしきい値の数倍程度の強励起下で長時間光励起発振させ、寿命特性を調べた。ZnCdSeを活性層としたDH試料と比較した結果、BeZnSeTe DHは数十倍の長寿命特性を示し、優れた耐劣化特性を有していることが分かった。
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Applied Physics Letters 94
ページ: 021104-1,021104-3
Journal of Crystal Growth 311
ページ: 2291-2293
http://librsh01.lib.sophia.ac.jp/Profiles/56/0005579/profile.html