研究概要 |
携帯電話に代表される移動通信システムのブロードバンド化が進められているが、このようなブロードバンドシステムでは電話が中心の現在のシステムに比べて、十倍以上の送信電力量を消費することが見込まれる。一方、無線送信装置の電力効率(=送信電力/直流消費電力)の改善は大きな壁に突き当たっている。本研究ではこの限界を打ち破るため、増幅器の最大効率領域(飽和領域)で常時動作させる新たな線形送信方法(包絡線パルス幅送信法;Envelope Pulse Width Modulation Transmitter,EPWM法)を提案し、その実現可能性を以下明らかにする。 本方式での研究課題は、包絡線をPWM信号に変換するΔ-Σ変調器で発生する量子化雑音の変調波への影響を明らかにし、移動通信システムで許容される変調信号帯域内および帯域外でのSN比が達成できるように回路と信号処理のパラメータを決定することである。このため以下のように研究を進める。 【平成19年度】 以下により、提案方式の基本動作を確認する。 (1)提案送信機のプログラム上での実現 (2)提案方式での量子化雑音の性質とその影響の基本解析 (3)伝送実験系の構築 【平成20-22年度】 提案方式での量子化雑音の変調波への影響を詳細に解析するため、以下を検討する。 (1)提案方式での量子化雑音の性質とその影響の詳細解析 (2)量子化雑音のさらなる低減方法の検討 (3)伝送実験によるシミュレーション結果の確認と提案方式の実用性の判断
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