将来のフォトニックネットワークは、長距離系のみならず、メトロ・近距離系においても不可欠の技術になることを踏まえて、長距離系では1.5μm帯の100nm程度の帯域、メトロ・近距離系では1.2〜1.7μmの帯域を用い、超多波長の新たなフォトニックネットワークの可能性を明らかにすることが、本研究の目的である。 本年度は以下のような課題について研究した。 1、長距離系とメトロ・近距離系を統合したフォトニックネットワークの構成法 将来の超多波長伝送を前提にしたフォトニックネットワーク・アーキテクチャとして、リング網とスター網を組み合わせる新たな網構成法を提示し、その特質を検討した 2.光バースト多重伝送におけるバースト転送制御法 メトロ・近距離系においては双方向の2重リング網として、2方向の光バースト多重制御によって各ノードでのフェアなトラフィック収容を可能にする新たな分散制御法を提案した。この制御法により実用上十分なフェアな制御が可能なことを示した。 3.波長変換・波長多重等の光信号処理技術 SOA(Semiconductor Optical Amplifier)を多段にカスケード接続することで300nmを越える広波長域での波長変換を実現した。また、一定の光波長域を使用する波長分割多重伝送でのチャンネル当たりの光バンド幅とデータ伝送速度のトレードオフにおいて、Q値を最大とする伝送速度を求める手法を開発した。
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