研究概要 |
本研究計画においては、広波長帯域を利用するフォトニックネットワークのノード構成法と、そこにおいて不可欠な光波形・波長変換技術等の要素技術の開発を目的としている。今年度は、以下のような成果を得た。 時分割多重近距離ネットワーク間を波長多重光通信で接続したバースト光ネットワークにおいて、近距離ネットワークからの送出データを実時間で取得するアルゴリズムを提案し、max-min fairnessを保証したデータ取得が可能なことを明らかにした。また、波長多重ネットーワークにおいて利用される光源を、集中型の多波長光源とするアーキテクチャを提案し、通常よりも光源のコストが低減できることを示した。 半導体光増幅器を用いた波形・波長変換回路によって、NRZ信号波形を所望のRZ信号波形に変換する手法を検討した。その結果、パルスのデューティー比を20%から80%、もしくはパルス幅換算で20psから80psまで連続可変可能で、波形歪みの少ない高品質なNRZ-RZ変換を実現した。変換された信号を波形を可変することによって信号線路のパラメータに応じた伝送品質の最適化が可能なことが明らかになった。さらに、波形変換特性において重要な半導体光増幅器を計測する手法を開発した。本手法に加えて、光ファイバ中のラマン散乱を利用した光パルス圧縮器を用いたパルス幅変換器についても検討し、入力パルス幅14.7psのパルス幅に対して、13,2psから3.06psの範囲にわたる高品質なパルス幅を連続可変も実現した。 外部光によって周波数制御可能な光信号源において、波長数4以上の多波長信号を外部光に用いた場合の周波数制御を試みた。その結果、周波数間隔10GHzまでの狭周波数間隔の多波長スペクトルを持つ外部光に対して発振周波数の離散的制御に成功した。
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