研究課題/領域番号 |
19360173
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中野 博隆 大阪大学, サイバーメディアセンター, 教授 (90379107)
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研究分担者 |
長谷川 剛 大阪大学, サイバーメディアセンター, 准教授 (00294009)
笹部 昌弘 大阪大学, 工学研究科, 助教 (10379109)
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キーワード | 電子タグ / 衝突回避 / RFID / 高速読出し / FSA / 一括読出し |
研究概要 |
1.無線機能付き組込み機器評価ボード(以下、評価ボード)を用いて、電子タグのリーダがエミュレートできることを確認した。リーダの無線部をPCに接続した評価ボードで、リーダの制御部をPC上のソフトでそれぞれ実現し、この確認を行った。また、電池駆動された別の複数の評価ボードを用いて、電子タグがエミュレートできることを確認した。 2.前期に、評価ボードの読み出し衝突時の特性を分析し、キャプチャ効果(衝突時にも正常に読み出せる現象)が強いことを確認している。このキャプチャ効果に対して、応答確率を補正することで読み出し速度の向上が図れることを確認した。 3.キャプチャ効果を低減するには、電子タグの読み出し間に、変復調器をリセットすることが有効なことが分かった。このリセットは変復調器の読み出し状態を変更することにより行った。このように、位相変調方式では状況に応じてキャプチャ効果を制御し、様々な読み出し特性が引き出せる可能性のあることを示した。 4.本読み出し方式(応答確率制御法)に必要な電子タグ内の乱数発生機構として、電子タグに備わるID情報を乱数の種とすることにより、ソフト的な発生機構が有効に使えることを示した。 5.衝突時、無応答時の読み出しタイムアウト制御方式については、ハードに依存した制御が必要であり、評価ボードでは十分な検証ができなかった。汎用の評価ボードを用いた検証では、全て同じ状況であると推定される。このような微妙なタイミングの経済的な検証は今後の課題として残った。 これらの確認により、電子タグの実装上の課題とその改善方法を明らかにした。 5.今後、キャプチャ効果制御とその活用方法に関する研究を継続する。
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