研究概要 |
研究代表者の佐藤は,多変量解析に基づく状態空間の圧縮方式,非線形関数を関数近似するための特徴空間構築方式,及び探索空間を圧縮するためのポテンシャルモデルを導入し,強化学習に基づくロバストルーチング方式を提案した.さらに,予備制御器から得られた行動の主成分分析に基づき,高次元行動空間を圧縮する方法を提案した.提案されたアルゴリズムは,ネットワークの全ての状態を考慮し,有効でない情報を排除することができる.そのため,ルーチングループや局所最適解に陥る頻度を削減し,効率の良いルーチングテーブルを作成できる.さらに,ルーチング情報が妨害された場合でも,良好に動作する.詳細なシミュレーションにより,提案したルーチング方式が,従来手法に比べて様々な攻撃パターンに柔軟に対応できることを示した. 分担者の高橋は,セキュアネットワークの要素技術として,信頼性を確保するためにNetwork Codingを利用したパケット転送方式,無線ネットワークにおけるスループットを向上するためのTCPの再送方式,および複数のルートを使ったパケット転送方式を提案した.これらにより,ネットワークに対する攻撃やパケット廃棄が頻繁に発生する無線ネットワークにおいて,データを高信頼かつ高効率で送信するためのネットワーク基盤技術を確立した. 分担者の高木は、大規模なセキュアネットワークの要素技術として、標数3の有限体に対するリダクションが高速となる既約多項式を提案し,次世代公開鍵暗号方式であるペアリング暗号の高速実装を実現した.また、高速化が望まれる超楕円曲線上のペアリング暗号を実装し,その有効性を示した.
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