研究課題
本研究では次世代光ネットワーク制御技術であるGMPLS(Generalized Multi-Protocol Label Switching)においてより高効率かつ柔軟なトラヒック制御を実現するための高速な最短経路探索手法と、それに基づく新しい光パス決定アルゴリズムの提案を目的としている。本年度では「高速最短経路オフローディングエンジンの実装」と「仮計算を用いたIPレイヤおよび光レイヤの相互影響を考慮するパス設計手法に関する研究」について、大規模ネットワーク化に向けた高速最短経路探索エンジンオフローディング手法に関する研究や、経路コスト以外にコンテンツ配置やネットワークの省電力化を考慮した光パス決定アルゴリズム手法に関して研究を行った。前者では、リコンフィギュラブルプロセッサDAPDNA2のチップ上に仮想ネットワークを構築し、パケットの動きによって現実のトラヒック変動を求めるという実験的手法を提案した。大規模なネットワークトポロジに対応するために、トポロジを分割し、リコンフィギュラブルすることで分割トポロジを切り換え、パス計算のための評価パケットを転送する手法を提案した。シミュレータおよび実機での評価を行い、計算時間を従来方式より改善できることを示した。後者に関しては、光パスやサーバ資源といったリソースの使用を抑えてアプリケーションのレプリカ配置を決定するための計算手法や、ネットワーク全体の消費電力を抑えるためにトラヒックをあるリンクに集約し、空きリンク、ノードを意図的に作り出し、そのリンク、ノードを電源オフするという光パス確立方式を提案し、トラヒック状況に合わせて電源オフ可能なリンクをできるだけ多く作る光パス計算方式を提案した。提案方式により、経路コスト以外の要素も考慮しつつリソース使用量を抑えた光パス決定ができることをシミュレーション、実験で示した。
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IEICE Transactions on Communications Vol.E92-B, No.10
ページ: 3102-3110