研究概要 |
(1)適応無線アクセス技術:マルチキャリア/シングルキャリアのハイブリッドを用いる適応無線アクセスにおいて,H19年度は,最適な無線リソース割り当てを中心に検討を行った。・直交周波数分割多重(OFDM)アクセスにおいて周波数スケジューリングを行った場合,ハイブリッド再送制御を用いたときに,リソースブロック(RB)共通変調方式制御が,RB独立変調方式制御よりも適することを示した。・狭帯域サブキャリアを有するOFDMにおいて,通信開始時の移動局端末の基準発振器が数ppmの誤差を有する場合の,同期チャネルを用いる周波数ドリフト補正の効果を実験的に明らかにした。・上りリンクを対象としたシングルキャリア周波数分割多重アクセス(FDMA)において,セル内のFractional送信電力制御(TPC)に加えて,セル間のTPCを併用した揚合の最適なTPC法を明らかにした。 (2)MIMO多重の高効率伝送:H19年度は最尤判定のための予備検討を行った。・OFDMを用いるプリコーディングを用いるMIMO多重伝送におけるプリコーディングベクトル選択,および信号分離に与えるチャネル推定誤差の影響を明らかにした。・OFDMにおける開ループ型送信ダイバーシチの効果および最適な送信ダイバーシチ法を屋外実験により明らかにした。 (3)マルチホップ(リレー)技術:・無線メッシュネットワーク中継ノードのアンテナ指向性制御による同期運用法の,エスパアンテナを想定した制御法とマルチホップ環境下でのスループット評価を行った。・マルチホップ経路の安定化と経路構築率向上を目的とした経路制御法および中継ノード配置法を提案し,移動アドホックネットワーク(MANET)環境での適応性を確認した。・低伝送遅延と低コスト化を実現する電力増幅転送型リレー伝送における,周波数利用効率の劣化の低減法を考案し,カバレッジの増大効果を検証した。
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