研究概要 |
平成19年度は,まず,(1)Oscillation Response型(最高精度型)の開発を行った。個別の開発課題として,以下を行った。 (1)加振法(システム同定&制御を含む)の開発 本研究において,試験材料を含めた試験系全体をシステム同定し,それに基づいて,任意の変位,あるいは,任意の作用力での試験を可能とする加振器制御手法を開発した。具体的には,アクチュエータから作用力が加わるまでの機械的機構を非線形ばね特性を有する多慣性系としてモデル化した。モデル化にあたっては,非線形モデルを用いた実験的ステム同定法を適用した。以上により,加速度成分を有する任意の変位、作用力での加振が可能な制御手法を開発した。 (2)FEMによる材料特性の定式化手法の開発 高精度な材料試験結果に基づく,材料の力学特性を表す校正方程式の導出法の開発を行った。実験で得られた変位・速度・加速度の時間波形と周波数応答から供試体の構成方程式を同定する方法を開発した。 (3)防振型光波干渉計の開発 上質量法に基づく材料試験機に組み込まれる光波干渉計の振動抑制対策を行った。さらに,最近,開発を進めている周波数測定にデジタイザを用いる方法の改良、導入も行った。この方法により,既に,市販の周波数カウンタの最上位機種よりも,遥かに,高精度,高分解能な周波数測定を,低価格デジタイザにより実現できた。 (4)温度任意設定機能の開発:任意の温度(温度範囲0℃〜80℃,温度設定標準不確かさ1℃)における実験を可能とするための恒温槽を含めた全体のシステムを開発した。
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