研究概要 |
浮上質量法を利用した高精度粘弾性試験装置の研究開発として,Impact Response材料試験機(高精度型),および低コスト型の材料試験機の開発を行った. Impact Response材料試験機(高精度型)の開発として,まず,実用的な衝撃型材料試験機開発の上で必須の機能である,衝突運動量設定機能(直動駆動機構を含む)の開発を行った.その結果,リニアモータを空気軸受に組込むことにより,可動部衝突速度を初速範囲0.00〜1.00m/s,初速設定分解能0.01m/sにて任意設定するための機能を実現した.また,周波数の超高精度測定法の開発を行った結果,デジタイザを用いた周波数測定法の改良により,高精度な周波数測定を実現した. 次に,低コスト型の材料試験機の開発として,装置全体の低コスト化を図るため,静圧空気直動軸受を高精度な振子機構で置き換えた構造を検討した.その結果,振子機構を用いても静圧空気直動軸受を用いた場合と同等の材料試験が可能であることを実証した.また,装置全体の低コスト化・小型化を図るため,従来のゼーマンレーザを光源とする光波干渉計を,LDを光源とする光波干渉計に置き換える構造を検討し,LD光源を用いた光波干渉計を実現しだ.また,特殊環境(高温,低温,真空)で動作する高精度材料試験機の可能性の検討を行った結果,静圧空気直動軸受を振子機構に置き換えた装置構成により,高温環境,低温環境にて用いることが可能な材料試験機を実現できる見通しを得た.更に,本試験装置の応用として,材料試験機を用いた直動軸受の摩擦試験を実施し,再現性のある摩擦特性評価が実施できることを実証した.
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