研究課題/領域番号 |
19360192
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
延山 英沢 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (50205291)
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研究分担者 |
土谷 隆 統計数理研究所, 数理推論研究系, 教授 (00188575)
瀬部 昇 九州工業大学, 情報工学部, 准教授 (90216549)
上 泰 明石工業高等専門学校, 電気情報工学科, 講師 (20413809)
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キーワード | 制御系設計 / 数値最適化 / 平方和最適化 / 双線形システム / グレイボックス同定 |
研究概要 |
本研究の目的は、平方和(Sum of Squares:SOS)最適化を基軸とした新たな制御系設計論を開拓することおよびその関連他分野への応用の可能性を探ることである。より具体的には、現在多く用いられている半正定値最適化(SDP最適化)では解けないあるいは扱えない制御問題に対して、多項式計画問題に帰着すればSOS最適化により数値的に解ける、という理論的ブレークスルーとなりうるSOS最適化を用いた制御系解析・設計法を開拓すると同時に、誰でも使えるようなSOS最適化を実行するソフトウェアを開発することを目指す。 この目的の下、本年度は以下のような成果を得た。 1.状態依存リッカチ不等式問題:非線形システムの一つの特別な場合である状態と入力の乗算を含む双線形システムに対してロバスト制御問題を考えた場合、状態を含むリッカチ型不等式が導出される。状態が含まれるリッカチ型不等式の場合、通常のSDP最適化手法では解くことができないが、状態に関する平方和を考えることによりSOS最適化手法を用いて数値的な実行可能解を求めることができることを示した。また、その状態を推定するためのオブザーバーもSOS最適化手法を用いることにより構成できることを示した。 2.グレイボックスシステムの同定問題:多項式未知パラメータを含む構造既知の連続時間システムに対するパラメータ推定問題にSOS最適化手法が適用できることを示し、数値実験によりその有効性を示すことができた。実験データから離散時間計を経ることなく直接連続時間システムのパラメータ推定できることと実験データ数が少なくてよいことがこの手法の特徴である。また、システムの構造によっては必ずしもうまく推定できないこともわかった。 3.SOS最適化のためのソフトウェアの開発:SOS最適化問題をSPD最適化問題に帰着するための基本的な数式処理ソフトウェアを作成した。
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