研究概要 |
本研究はPRC部材のせん断ひび割れについて,各種要因がせん断ひび割れに及ぼす影響を定性的・定量的に明らかにするとともに、ひび割れ幅を求める照査法を開発することである。今年度の研究成果を以下に述べる。 圧縮強度がf'=40,100,160N/mm2のコンクリートを用いたRCおよびPRC梁の載荷実験を行い,圧縮強度がせん断ひび割れ性状に与える影響について以下のことが明らかとなった。 (1)超高強度コンクリートではひび割れが骨材を貫通して進展する場合があり,骨材のコンクリート内での分布状態や骨材径によってひび割れ幅が大きくばらつく傾向がある。また、超高強度コンクリートではひび割れの発生も脆性的であり,大きな初期ひび割れが発生する。 (2)超高強度コンクリートの破壊状況は非常に脆性的であり,本実験において,せん断補強筋の破断が観測された。 (4)せん断ひび割れ幅は,RCにおいてはコンクリートの圧縮強度の影響は見られないがPRCにおいては小さくなる傾向がある。せん断ひび割れ幅の解析手法と照査手法について以下のことが明らかとなった。 (1)圧縮場理論(Compression Field Theory)を用いた解析手法(Response-2000)により、PRCのひび割れ性状をある程度の精度で求めることができた。 (2)せん断ひび割れ幅を水平および垂直成分に分解して、せん断補強筋ひずみを用いることによって、かなりの精度でRCおよびPRCはり部材のせん断ひび割れ幅を計算出来る手法を開発した。
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