研究分担者 |
宮島 昌克 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70143881)
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 教授 (20222200)
豊岡 亮洋 京都大学, 鉄道総合技術研究所, 副主任研究員 (80425917)
古川 愛子 九州大学, 工学研究院, 助教 (00380585)
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研究概要 |
本研究の目的は,鉄道ネットワークを対象として,センシング技術を利用した災害発生時の迅速な機器制御により,被害を最小限に留めるような理論的な枠組みの構築と技術の実装を図ることである.これを実現するために,本年度行った項目は(1)センサ製作,(2)実構造物におけるセンシング,および(3)災害発生事象の検知である.(1)については,較的安価かつ容易に入手可能な容量型MEMS加速度センサーなどを利用して小型地震計を製作し,測定精度について検討を行うとともに,その地震計を用いて土木構造物の被災度評価法についての検討を行った.(2)については,振動台に試作したセンサーを上載して加振試験を行い,ひずみゲージ式加速度計の値を真として精度を検証した.その結果,フィルタ処理を行えば加速度の時刻歴応答を十分測定可能であり,広域観測用地震計としての適用性を確認した.また,兵庫県南部地震以降,全国に強震観測点が展開され,地震動の観測が行われてきているが,全国の各市町村に1カ所以上設置されている自治体観測点の多くでは地震波形が計測されておらず,最大加速度と計測震度だけが計測されているものが多い.そこで,計測震度を算出するときに使われるフィルター特性に注目し、最大加速度と計測震度のみから地震動の周波数特性を把握する手法について検討した.(3)に関しては,大規模数値計算を使ったシミュレーションとの統合を念頭に,同期した2つの加速度計を使った構造物部材の復元力特性を計測する手法を開発するとともに,鉄道ネットワークを構成する鉄道高架橋の損傷を効率的に検出するための,局所損傷同定手法について検討を行った.適切な振動数で構造部材を局部加振することによってその部分が励起され,微小な損傷を検出できることを数値解析によって明らかにした.
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