研究分担者 |
宮島 昌克 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (70143881)
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 教授 (20222200)
五十嵐 晃 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80263101)
小野 祐輔 京都大学, 工学研究科, 助教 (00346082)
|
研究概要 |
鉄道の災害や事故を未然に防ぐ,あるいは最小限にとどめるための最前線の技術はセンシングであるが,現在地震災害に対する危機制御として実用化しているものは,P-S波の到達時間の差を利用した警報システム「ユレダス」のみであり,また,通常の脱線対策にしてもATSやATC等による閉塞区間内の速度制御や脱線防止装置が主体であり,危機事象の定量的予測とその制御に関する研究は十分といえないのが現状である.本研究の目的は,鉄道ネットワークを対象として,センシング技術を利用した災害発生時の迅速な機器制御により,被害を最小限に留めるような理論的な枠組みの構築と技術の実装を図ることである.まず,ネットワークアーキテクチャやプロトコル,信号処理機能を実装した既存のワイヤレスセンサを加速度センサとして利用できるように改良し,これをセンサ・ネットワークとして利用するためのハードおよびソフトの環境を整備した.さらに,超高密度センシングが可能であるか,センシングデータの大容量送受信が可能であるか等の検証を行った.具体的には,加速度計はMEMS加速度センサを用い,SDカードを搭載することで地震計内部で加速度記録の保存容量を拡大した.地震計からパソコンへの無線転送システムとしては,安価で消費電力が少ないZIGbeeを採用した.その結果,市販の製品よりも安価で,かつ無線システムを搭載した地震計測システムを構築することができ,さらに今後の課題も明らかとなった.損傷判断や被害検知が可能であるか,それを基にした危機制御が可能であるかを数値シミュレーションで詳細に検証するために,盛土の地震時挙動を高精度で再現できるシミュレータおよび逆解析としての損傷同定手法を開発した.また,センサーの振動台実験を行い,大規模な震動に対する基礎データを収集した.高精度かっ高解像度の数値計算を行わなければならないために,多様性に対応可能な統合シミュレータを構築する必要がある.3次乖有限要素法や3次元個別要素法を主体にした解析を行い,損傷判断や被害検知手法を開発した.
|