研究課題
ブラスト処理が施されたアルミニウム板の疲労試験を実施し、摩擦接合継手の添接板の摩擦面に施されるブラスト処理が疲労強度に与える影響は小さいことを明らかにした。鋼製高力ボルトで締結されたアルミニウム合金板摩擦接合継手の疲労試験を実施した結果、座金直下の添接板表面(タイプA)および添接板に接触する母材表面(タイプB)にフレッティング(擦れ)疲労亀裂が発生する。母材の板厚と添接板の総厚が等しいとき、タイプAの疲労亀裂が発生し、添接板の板厚が厚くなると、タイプAの疲労亀裂は抑制され、タイプBの疲労亀裂が発生するようになるが、摩擦接合継手としての疲労強度は上昇する。両面摩擦攪拌接合で製作されたアルミニウム床版から接合線方向に切出された試験片の疲労試験を実施した。疲労亀裂は、接合部のパリからではなく、接合部中央の、ツールのショルダーの回転跡から発生した。疲労亀裂は、両面摩擦攪拌接合において、ツールのピンの短い最初の摩擦攪拌接合が行なわれた表面から発生した。アルミニウム床版に設けられるモルタル充填開口の疲労試験を実施し、その疲労強度を明らかにした。道路橋用アルミニウム床版の適用支間長をFEM解析で明らかにした。死荷重、活荷重、疲労荷重、たわみ荷重を満足する、主桁問の適用支間長は4000mm、張出し部の適用張出し長は1350mmである。アルミニウム床版と鋼主桁との合成作用に対して修正弾性合成理論を構築した。この理論では、鋼主桁の断面変形に対して平面保持の仮定を設けるが、アルミニウム床版の上板と鋼主桁の上フランジとの間に対しては平面保持の仮定を設けない。この理論により、アルミニウム床版と鋼主桁との合成作用を精度良く表すことができるようになった。
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第六回道路橋床版シンポジウム論文報告集, 土木学会 6
ページ: 87-92
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