研究課題/領域番号 |
19360204
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
久保 喜延 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70093961)
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研究分担者 |
木村 吉郎 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50242003)
加藤 九州男 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 助教 (60039138)
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キーワード | 構造断面 / 剥離現象 / パッシブ制御 / 空力弾性振動 / 長大橋 |
研究概要 |
「構造物の強風災害低減のためのパッシブ剥離制御手法の構築に関する研究」という研究題目のもとに、構造物の風による振動抑制のパッシブ制御法の検討を行っている。本年度は、I)狭幅員の吊り橋桁断面として経済性と対風性を考慮した5角形断面桁の特性に関する詳細な検討を行った。その内容は、五角形断面桁の底面傾斜角が及ぼす空力特性、周辺流れ特性、表面圧力特性、3分力特性である。その結果、底面傾斜角が12゜以下であれば、底面頂部からの流れの剥がれが生じにくく、抗力係数も小さく、揚力も下向きに働き、空力弾性振動が生じにくい耐風性に優れた断面となることが、証明された。これとは別に2)パッシブ制御の方法として桁の両端に水平板を設置した場合の対風性制振メカニズムについて検討を行った。桁断面としてはB/D=5の矩形断面を用い、水平板の大きさ、取る付け位置を変化させてバネ吊り実験による対風性能、3分力実験による静的空気力の測定、本研究課題での補助金により購入したPIV(Particle Image Velocimetry)装置を用いての物体周辺の流速測定を行うことで、制振メカニズムの解明を行うことができた。す平板によって対風性が改善される揚合には、水平板と桁とがなす空間に強い循環流が生じることにより、水平板の風上側から剥離した流れが加速されることにより、桁表面に沿った流れとなることで、桁表面上での流れの剥離が抑制され、抗力の減少、空力弾性振動の抑制が行われることが明確になった。本研究では、水平板の取り付けは、桁の側面の上側にのみ取り付けて基本的な検討を行ったため、迎角が正の状態のときのみ、良好な耐風性を得られたが、桁側面において上下対象に水平板を取り付けることで、負の迎角においても良好な耐風性を得られることをPIVによって確認を行った。
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