研究課題
廃棄物処分は地盤工学の重要な課題であり、新規処分場の遮水構造設計思想の確立を図るとともに、古い処分場のレメディエーションを適切に行うための工学的枠組みの確立が求められている。さらに、跡地の活用度、周辺地域の経済・社会活動へのインパクト・還元といった多面的観点から廃棄物処分や環境修復事業の合理性・正当性を説明し、サステイナブルな社会の実現に資することが重要である。このような背景から平成21年度は19~20年度に引き続いて以下の研究を実施した。(1)粘土ライナーを中心としたバリア材の物性と性能評価に関する研究模擬浸出水による粘土系バリア材の遮水性能に関する透水試験、発熱環境下でのバリア材の物性と性能評価に関する実験を実施するとともに、不適正処分場の修復への適用が考えられるソイルベントナイト遮水材の地震時挙動を遠心模型実験により実施して耐震性能と遮水性能の評価を行った。(2)処分場における重金属類の動態と環境影響評価に関する研究酸化還元特性を考慮した大型カラム試験とバッチ試験を実施し、重金属類の挙動を実験的に評価して化学的・物理化学的考察を加え、地盤環境リスク評価のための基礎データの構築をはかった。(3)不適正処分場等への対応技術と跡地利用に伴うインパクトに関する研究ならびに総括廃棄物処分場における形質変更のための施工法として、廃棄物の掘削や杭打設などによる影響に着目し、浸出水特性の変化や漏水リスクの変化に関する実験を行い、地盤環境リスクの定量化のための評価を実施し、(1)および(2)の成果も踏まえて研究の総括を行った。
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すべて 雑誌論文 (20件) (うち査読あり 20件) 学会発表 (7件) 図書 (4件)
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