研究分担者 |
平石 哲也 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 研究室長 (20371750)
河合 弘泰 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 研究室長 (40371752)
川口 浩二 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 主任研究官 (50371753)
加島 寛章 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 研究官 (60463098)
森 信人 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90371476)
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研究概要 |
3次の非線形干渉による水面変位の4次モーメント(μ4)の変化を最大波高分布と関連付け、Freak waveの出現頻度を予測する理論が提案されており,断面2次元造波水路内を伝播する波列のスペクトルの変形とFreak waveの出現頻度が一連の理論により推定できることが定量的に示されている. 本研究計画では,これらの基礎理論を拡張し,波浪予測・推算に応用し,新たなる波浪予測・推算情報を提供することを目的としている. 1.3年計画の2年目のFreak wave波浪予測に重要となる水面変位の4次モーメント(μ4)予測をECMWFの現業波浪予測モデルを用いて行い,その精度検証を行った結果,1方向を仮定した従来の理論では,異常波浪の予測は困難であることを明らかにした.ついで,方向分散性を考慮したμ4の予測理論を定式化し,モンテカルロ数値計算によりその妥当性について検証を行った.さらにNOWPHAS現地観測データを詳細に解析し,Freak waveのような異常波浪の発生事象を抽出し,その時の気象・海象条件についてデータ解析を行った結果,Freak waveのような巨大波浪の出現時にはμ4の値が増大していること,μ4に基づく Freak wave予測理論や水槽実験結果の裏付けとなる結果を現地観測データから得ることが出来た. 2.2006年の一連の台風によって発生した高波の出現特性を整理した結果,Freak Waveの予測に必要なスペクトル特性などのパラメータをとりまとめた. 3.津波来襲前の地震発生とほば同時に,海底設置式波浪計が短周期の非常に大きい水圧変動を捉えていることを,2007年能登半島地震後のNOWPHAS波浪観測記録から明らかにし,衝撃的な海底水圧変動観測が津波予測に貢献しうることを初めて明らかにした.
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