サステイナビリティ実現という緊急で重要な課題を達成するため、既存の空間マネジメント概念を超越したエクメーネ・マネジメントを推進する仕組みを構築することが本研究の当初からの目的である。最終年度として、実施計画に対応した形で下記の研究成果を得、その集大成を行った。 1)フロントコントロール戦略として、空間利用マネジメントのための広域的な現状把握(都市フリンジ部の拡散、中山間地域までを含む)を完遂し、その諸政策に伴って発生する影響を個別にかつ体系的に明らかにするシステムモデルを構築し、その有効性を検証した。 2)将来的な感度分析的対応として、研究期間中に発生したガソリン価格高騰などの影響を織り込み、個人属性や地域特性別にエクメーネ・マネジメント推進のための支配要因を新たに明らかにした。これらの検討によって当初から目標としていた意識と行動の両面より空間形態のあり方を具体的に提示することができた。 3)ソーシャル・キャピタルを考慮したエクメーネ・マネジメント推進のための支援システムを新たに提案した。特に住民のみならず、都市構造マネジメントに実際に強い影響力を持つ行政担当者のソーシャル・キャピタルに着目し、コミュニケーションベースでその効果計測を可能とし、実際に百を超える自治体職員を対象にその適用を行った。
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