研究概要 |
我が国の自転車交通については,歩行者との錯綜,迷惑駐輪,事故への対処が急務となっており,このため,本研究では,自転車等の利用空間に関する走行ルール,道路構造設計の検討を含めた統合的な空間整備のありかたを分析することを目的とした.具体的には,以下を検討して,利用空間システムの走行サービスレベルを評価,比較し,望ましい施策体系を整理した. 1) プローブバイシクルによるサービスレベル評価法の開発 2) 多様な自転車利用空間システムの走行サービスレベルめ計測・評価・比較 3) 利用空間システム構成のありかた 平成21年度は昨年度までに実施したプローブバイシクルによる日本,中国,フランスの自転車利用空間システムを評価,比較分析し,さらに日本で進められそいる自転車利用空間モデル事業での多様な取り組みや,米国での白転車空間整備に関わる制度・指針をヒアリシグ調査して,利用空間システムの構成についてありかたを整理した。 (1) プローブバイシクル調査にもとづく走行空間評価 自転車利用時の安全感・快適性とプローブパイシクルによる走行性能調査結果の関連性を分析した。特に,自転車専用空間と共有空間,一方通行と対面通行に着目して,空間システムを評価した。その結果,自転車の走行空間としては,自転車レーン(自転車専用通行帯)による一方通行の車道空間が最も優れていることがあきらかになった。また,米国等においでも対面型における事故多発の経験を踏まえて,自転車レーンを中心とした整備が進んでいることも明らかになった。 (2) 利用空間システム構成ああり方の整理 上記の知見を踏まえて,自転車専用空間と共有空間,一方通行と対面通行,自転車速度の多様性,利用者の多様性に着目して,我が国における自転車道,自転車専用通行帯,自歩道の3区分の利用システム構成を評価し,住民の受容性を考慮して,自歩道と車道内の走行空間確保を併存させる方式を基本とした方針を整理した。
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