研究課題/領域番号 |
19360233
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
角 知憲 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90133090)
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研究分担者 |
外井 哲志 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (20201650)
大枝 良直 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10253501)
梶田 佳孝 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (30284532)
松永 千晶 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (80325513)
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キーワード | 地方都市 / 人口減少 / 高齢化 / 交通行動 / 公共交通 |
研究概要 |
前年度に引き続いて、飯塚・田川各市における人口減少とそれに伴う居住地分布の変化、建物更新との関連を調査・分析する作業を継続した。建物更新は、老朽化と陳腐化の双方を契機として行われるが、それは世帯構成との関係が強く、また除却と新設との時間・場所のずれが少なくない。場所によっては高層化が起こることが分かった。 さらに福岡県宗像市・春日市において昨年度実施した高齢退職者を対象とする長期の交通行動調査結果から、行動モデルを定量化した。健康な高齢者は、週日・週末を問わずさまざまな活動を活発に行うが、その行動は午前を中心とする比較的早い時間帯に行われることから、その特性を記述するようにモデルの修正を行った。 一方、コンパクトな公共交通機関としてLRTに注目する観点から、鹿児島市の住宅地区を対象として市街地訪問交通を調査した。鹿児島市は,近代的なLRT車両と非接触ICカード型乗車券を採用し、路線網の変更によって経営を改善している。調査の結果、交通の時間領域の特性には、自家用車利用の場合と大差はないこと、交通機関選択行動に時間帯による有意な差はないことが判明した。また、 LRT中に新たに導入された低床式車両は、旅客に一定程度選好されることがわかった。その選好程度を定量化することは、現在の課題の一つである。 一方、現用のICカードは乗車券機能と他の目的の料金収受を合わせて処理することで利便性を増そうとするものであるが、ある種のITS技術を用いれば、公共交通自体の利便性を格段に強化する可能性がある。このような観点から、福岡市で実施されているバス運行情報の提供サービスを高度な乗車案内に進化させることを想定し、その効果を試算した。資産の結果は乗客の利便性を相当程度改善するもので、今後これを利用した公共交通利用促進策を検討する。
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