研究分担者 |
外井 哲史 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (20201650)
大枝 良直 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10253501)
梶田 佳孝 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (30284532)
松永 千晶 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (80325513)
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研究概要 |
前年度に引き続いて,対象を九州地方の中小都市に拡大しながら人口減少とそれに伴う居住地分布,土地利用の変化に関する調査と分析,さらにそれに対するコントロール可能性に関する検討を行った.人口の減少に伴う都市の変化を利用してsustainableな都市を実現するためには地域のコミュニティに過度の活動を要求しないことが必要であるが,そのためには自然的・地理的条件に背馳しないように土地利用計画を策定する必要があること,一部の地域では自然環境と両立する土地利用を求める「まちづくり条例」や「まちづくり指針」が策定されて,土地利用の変更や建築物更新はそれに則った形で行われているものの特段の有効性は認められず,国家レベルの法的規制に基づいて多少の強制力を伴う制度が必要であると結論付けられた. さらに昨年度得られた知見に基づいて,さらに公共交通に対する依存の度が高く,しかもそのサービスレベルが低いとみられる地方都市の島嶼部の高齢退職者を対象として交通行動調査を行って,昨年の分析から得られた交通行動モデルを適用し,交通行動の異同を検討した.その結果,島嶼部においても行動モデルの適用性は認められたが,医療サービスなど高齢者に必須の交通行動が存在するため,他の目的の交通がそれと組み合わせで行われる傾向が認められたため,複数の目的を持つ交通行動のモデルを作成し、その一般化費用を推定する試みを行った. また,中小都市の交通網再編のキーテクノロジーと見られるLRTについて,道路交通に対する利用者の利便を優位に強化する方法として優先信号の効果に着目し,優先信号の導入による一般化費用の削減効果,それに伴う輸送需要の増加を推定するモデルの作成を試みた.これらの効果は,一般化費用という指標で定量的に評価することができる. 昨年度に引き続いて行った公共交通に対するICカード導入の効果に関して有用なデータを取得したものの,さらに継続する必要性を残す結果となった.
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