研究課題
本年度は、可視光空間通信の積雪寒冷地への適応を目的とし、降雪および吹雪による着雪が可視光通信性能に及ぼす影響を室内試験およびフィールド試験において検討した.室内試験は、(独)防災科学技術研究所雪氷防災研究センター新庄支所の雪氷防災実験棟において、低温室内の人工降雪装置を用い、降雪強度を変化させながら降雪させ、情報通信能力を測定した.情報通信型LEDユニット(LED素子を5×5個に配置)と受光センサを降雪テーブルの両端に設置し、情報通信能力の測定と同時に、視程計を使用し、5秒間隔で視程を測定した.本実験の降雪強度は、5、3、1の3階段に変化させた.情報通信型LEDの色と電圧およびユニット数は、赤(20V、1ユニット)、青(23V、1ユニット)とし、入力する周波数は100kHz、500kHz、900kHzとした.室内試験の結果、視程の減少にともなって信号強度と情報通信能力の指標であるQmが低下し、欠損率と連続欠損データ数が増加すること、その傾向は視程が800m以下になると顕著になることが分かった.また、変調周波数が大きくなるほどQmは低下し、欠損率が増加することが分かった.フィールド試験は、北海道工業大学内のグラウンドにおいて、情報通信型LEDユニットと受光センサを50m間隔に設置し、情報通信能力を測定した.同時に、視程計を使用し、5分間隔で視程を測定した.測定に使用したLEDの色と電圧およびユニット数は、赤(100V、10ユニット)と青(100V、14ユニット)とし、変調周波数は100、500、900kHzの3種類とした.フィールド試験の結果、変調周波数が大きいほどQmは小さくなること、視程の増加にともなってQmが減少することが分かった.また、赤色LEDよりも青色LEDの方が変調周波数の影響を受けやすいことが分かった.
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