研究課題/領域番号 |
19360236
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
荒巻 俊也 東洋大学, 国際地域学部, 教授 (90282673)
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研究分担者 |
栗栖 聖 (長谷川 聖) 東京大学, 先端科学技術研究センター, 講師 (00323519)
井上 雅文 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (20263155)
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キーワード | バイオマス / 木質資源 / バイオ燃料 / 農業廃棄物 / 二酸化炭素削減効果 / 炭素蓄積 / 持続可能性基準 |
研究概要 |
前年度の成果を基に、日本型のバイオ燃料持続可能性基準を提案するとともに、森林系バイオマスについては、燃焼発電も含めたさまざまなエネルギー利用シナリオの評価を行った。さらに、農業系については農業廃棄物の有効利用戦略について、東南アジアを対象に検討した。 バイオ燃料の評価については世界で先行する持続可能性基準策定の動きを詳細にレビューした結果を用いて、GHG排出量や炭素ストックの考慮、生態系への影響への配慮、水資源の枯渇と汚染・利用競合の回避、土壌の劣化・汚染防止、大気汚染の防止、食糧供給体制の整備・圧迫の回避、産業及び経済への貢献、労働者の権利の尊重、地域の権利の尊重、エネルギー安全保障、文化・教育への配慮、グッドガバナンスの12項目からなる日本型持続可能性基準の提案を行った。 森林系バイオマスについては、前年度までの国内を対象として木質資源のフローとストックを検討するモデルを構築したが、エネルギー木材の生産、バイオ燃料やバイオマス発電の推進、木造住宅の増加、住宅の長寿命化などのさまざまなシナリオを2050年までの炭素貯蔵効果とCO2排出削減効果で評価を行った。その結果、エネルギー用木材の生産によって、炭素貯蔵効果が大幅に減る可能性があること、などの結果が得られた。 農業系廃棄物については、ベトナム南部を対象に、農業廃棄物(Rice husk)の有効利用方策について、LCCO2、コスト、および関係者の選好という観点から検討を行った。有効利用方策については、焼却発電、厨房利用、ガス化発電、熱分解油化について検討を行い、LCCO2とコストで逆の傾向があることが確かめられた。また、関係者の視点では、コスト以外に、安全性を重視していることが確認された。
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