研究課題/領域番号 |
19360251
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
平石 久廣 明治大学, 理工学部, 教授 (40113211)
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研究分担者 |
高木 仁之 明治大学, 理工学部, 准教授 (70130820)
小林 正人 明治大学, 理工学部, 講師 (50373022)
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キーワード | 建築構造・材料 / 構造工学・地震工学 / コスト縮減 / 制震 / 耐震 / 鉄筋コンクリート造杭 / 杭頭ヒンジ / 損傷軽減 |
研究概要 |
大地震以後の長期の使用に対しても支障を生じない杭の開発ならびに、その杭による応答の低減効果に着目し、19年度までの研究に以下の改良を行い良好な結果を得られた。 1)19年度では梁の研究に関する科研費で開発した降伏機構分離型とし、杭頭にテーパーを設けることで本研究課題の目的である、基礎の合理化にかなった、健全な杭の開発に成功した。ただし、テーパー形状の施工は容易ではないため、杭頭接合部を昨年度より汎用性の高い円筒形状とした。構造実験を行った試験体は標準となる試験体、19年度に開発した減圧鉄筋を配した試験体および、杭頭接合部を高強度とした試験体など計4体である。結果として、本構造による杭では、19年度に行った軸力比と同じ軸力比0.6、減圧鉄筋を用いた試験体では19年度の軸力比0.8よりさらに高い1.1の高軸応力下でも大変形時までほとんど損傷が生じず、耐力低下も生じないエネルギー吸収性能に優れた杭であることを検証することが出来た。本課題の杭の開発についてはほぼその目的を達成したといえる。 2)杭頭にヒンジを有する杭の制震効果に関しては、19年度に行った、建物-杭基礎-地盤連成モデル(修正ペンゼンモデル)による地震応答解析に対してエネルギー的な分析を行った。この研究を通して19年度の研究では出来なかった杭頭でエネルギーを吸収することによる建物および杭への応答低減効果を定量的に評価することが可能となった。
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