研究概要 |
1.東京大都市圏・住宅・事業所立地予測モデル開発 東京大都市圏(1都3県)を対象として、土地利用(細密数値情報)、都市計画規制(都市計画統計年報)、住宅・事業所立地(住宅需要調査、事業所統計等)、通勤OD(国勢調査)等に関する市町村データを収集・整備するとともに、所与の交通条件、土地利用、都市計画規制等から、住宅・事業所の新規立地地点を予測する関数式のパラメータを推計した。 2.ロードプライシング導入による政策効果分析 東京大都市圏を対象として、環状8号線区域を約20ゾーンに分割し、都心方向又は環状方向にゾーン境界を通過する自動車に一律200円を課す道路課金を導入すると、CO2排出量は▲0.45%、NOX排出量は▲0.38%、SPM排出量は▲0.45%で、全体として環境改善が進むことを解明した。さらに住宅・事業所立地予測モデルにより、23区内従業人口は6.0%、夜間人口は12.0%増大し、周辺4県の従業人口は7~9%、夜間人口は4~5%程度減少することを示した。 3,ロードプライシング導入によるミクロな沿道環境影響分析 ロードプライシング導入によるミクロな沿道環境影響を分析するため、地価を立地条件、インフラ整備状況及び道路環境条件等によって予測する重回帰式を推計した。具体的には、高崎市の中心市街地2km四方の約100地点を対象として地価関数を推計したところ、南側建物により天空遮蔽率が10%増大すると地価が8%下落すること、また昼間12時間騒音が10dB増大すると地価が11%下落することを示した。 4.ロードプライシング導入に伴う政策課題の摘出 RP導入のために解決することが必要となる政策課題として、(1)施策の位置づけと導入・実施主体の問題、(2)自動車課金の位置づけと実効ある徴集方法(税法上、地方自治法上の位置づけや、道路法「道路無料公開の原則」との関係など)、(3)道路整備財源制度との関係、(4)土地利用関連諸法との関係等を摘出するとともに、法と経済学的検討を行った。
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