• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

持家社会の変容における女性の住宅所有の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19360276
研究機関神戸大学

研究代表者

平山 洋介  神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70212173)

キーワード持家社会 / 住宅所有 / 女性 / ジェンダー / 住宅政策 / 住宅市場 / 住宅資産 / 住宅ローン
研究概要

女性の経済力(雇用上の地位、所得等)と住宅条件の関係を明らかにするため、全国消費実態調査のミクロデータを用い、その独自集計を行った。その結果、女性の経済力は世帯の経済力を規定する因子となっており、そのことが世帯の住宅所有形態に明確に影響することが明らかとなった。伝統的な「男性稼ぎ主」型世帯では、夫の所得が多く、持家率が高い。しかし、夫婦ともに正規雇用の世帯では、世帯所得がより多く、持家率がいっそう高い。また、夫が低所得の世帯では、妻の多くが就労しているが、その大半は非正規被用者で、持家取得が容易ではない状况がある。これらの点は、夫の経済力をもとに世帯の経済力を推定する従来の社会階層論に対し、妻の経済力に注目する必要を示唆し、住宅条件の分析のあり方に関して新たな視点を提供するものである。
また、昨年度までの分析結果と今年度の作業結果を総合し、住宅理論を女性の経済的地位に着目して組み立て直すことの有効性を明らかにした。持家の取得と維持に関する伝統的な分析手法は、社会階層論との密接な関運をまつ。しかし、既往の分析手法は、「男性稼ぎ主」の経済力を主な指標とし、世帯単位の経済力を重視するものである。これに対し、本研究では、女性個人の経済力が世帯の経済力を規定する度合いが上昇し、住宅条件の階層分化を促す新たなドライバーとして重要性を増している点を実証し、それを通じて、世帯主だけではなく、女性に着目する必要、そして世帯単位分析だけではなく、個人単位分析を進める必要を示した。このことは、住宅理論の根本的な組み替えの有効性を示すものである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 住宅政策の変容と現在2010

    • 著者名/発表者名
      平山洋介
    • 雑誌名

      賃金と社会保障 1509

      ページ: 4-18

  • [雑誌論文] The uneven impact of neoliberalism on housing opportunities2009

    • 著者名/発表者名
      R.Forrest, Y.Hirayama
    • 雑誌名

      International Journal of Urban and regional research 33

      ページ: 998-1013

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Home alone : the individualization of young, urban Japanese singles2009

    • 著者名/発表者名
      R.Ronald, Y.Hirayama
    • 雑誌名

      Environment and Planning A 41

      ページ: 2836-2854

    • 査読あり
  • [学会発表] Housing and prolonged economic stagnation in Japan2009

    • 著者名/発表者名
      Y.Hirayama
    • 学会等名
      International Sociological Association, RC43
    • 発表場所
      Mitchell Library, Glasgow(Scotland)
    • 年月日
      2009-09-04
  • [図書] Wohnen und Gender2010

    • 著者名/発表者名
      D.Reuschke, Y.Hirayama, 他17名
    • 総ページ数
      303
    • 出版者
      VS Verlag

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi