四年間の研究の後半の初年度としてフランスでの発表を中心とする日本的方法の発信を中心として実施した。 (1) 渡仏し、海外共同研究者との研究の打合せ(リヨン、パリ)を行い、フランス人協力研究者のセミナーへの参加し、日本的研究方法の発信を行った。また日仏シンポジウム、共著出版の計画を議論した。フランスのパレ=ル=モニアルで10月に開催された国際学会に参加し、研究発表を行った。また7月にブダペストで開催された国際科学技術史学会に出席し研究発表を行った。 (2) 建築考古学調査を9月の後半に実施した。調査自体は、別経費で渡仏した研究協力者(大学院生)2名とボランティアの学部学生・院生を伴って2週間行い、ローヌ地方のシャルリュー修道院、ブルゴーニュ・マコネ地方の単身廊小規模教会堂2件、ブルゴーニュのヴェズレの教会堂の玄関廊の平面の建築考古学調査を行った。立面の写真測量も (3) 調査結果を整理し図面化を継続実施した。データ関係の整理、デジタル化保存をおこない、一部を、フランスの建築考古学の中であるリヨン大学第2中世美術史・考古学研究室(Nicolas Reveyron教授)に送付した。 (4) 上記パレ=ル=モニアルでの国際学会の研究発表を論文化し、同国際学会の論文集に投稿し、採用が決定している。またX. Barral I Altet教授献呈論文集への学術論文を依頼により執筆・投稿し、採用が決定している。 (5) 本研究課題に深く関係する建築考古学研究・中世建築研究をめぐる別事業でのシンポジウムを企画、実行し、当該事業で来日した3名のフランス人著名研究者とともに研究会・見学会を実施し、日本的建築研究の方法を紹介した。また次年度以降の本研究での協力関係についての議論を行った。
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